俺はおっさんにそろりそろりと歩み寄り、声を掛けた……。
「あなた、さっき黒塚古墳にもいらっしゃいましたね?」
いきなり詰問口調だ!!
「は、はい……」
「古墳、お好きということですか……?」
「は、はい……」
俺は確信した。
「いやぁ、ぼくも古墳好きなんですよぉ〜」
談笑開始。
「ここ、纒向はやばいですよ。絶対になにかあると思うんですよ。」
熱く語り出す初老のおっさん。なんだ! このパワー! みなぎる!
「卑弥呼とかいるし、マジやばいですよね、纒向」
「ヤバイってホント」
「ヤバイヤバイ」
やべーな。今日は平日なのに、なんでこんな会話が通じる人間とこんな場所でこんな夜に遭遇してんだ俺は!!
古墳たちとの別れそっちのけ、俺はおっさんとの熱い夜を、桜井まで過ごしたのだった……。
#ちなみにおっさんは学校関係の人だったらしい。いいな、平日に古墳か!
今日は朝から俺とほとんど変わらぬルートを歩んでいたらしいが、俺が脱線したので(略