›2 23, 2006

★★★☆☆ 福永武彦 訳『現代語訳 古事記』

 やっと古事記を通読できました。
 「逸話」が好きなので、世界の神話はみんな読んでみたいのですが、神話ものってきついですよね、家系図の猛ラッシュとか。。
 もちろん奈良にハマったことが発端となって読むこととなったわけですが、ハマった時代とは微妙にずれていました。きたぜ推古天皇! とか思ったら終わりだし。

 しかしまあ、すごい本だと思いました。
 もう、1500年前の人だってうちらと変わんないですよね。ものの考え方も変わんないし、今も面白いお話でもある。古書にありがちな違和感がほとんどなく読むことができました。
 プラス、訳者のさりげな〜い補注とか、補注なしでも読めるようにしてくれている配慮がかなり効いていると思います。

 読み終わってハッとしたのは、最初は海のものとも山のものとも知れぬ(笑)神々の話だったのに、最後にはいつのまにか、ぼくらの身近な推古天皇の話になってたってことですね!!
 神話→実話のグラデーションが見事だと思いました。
 名前も仰々しいから、いつまでたっても神さまっぽいんだよね。

 気に入ったのは大国主かな。実力で勝ち取った国を知らないおぢさんに奪われて可哀想すぎる。。
 しっかし、よくこんなちょっとの話でみんな膨らませて伝奇小説書くよなあ……と感心。
 もうちょっと深く理解したいと思ったので、古事記解説本を買ってきました。

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