›12 05, 2004

宮崎駿『ハウルの動く城』★★★☆☆

 案の定感想が貯まりまくっているので、今後感想(もしくはタイトル記名のみ)は観た/読んだその日に記入するということで。
※ここは目標を達成できない男を「まただ」と指さして笑うブログのようなところです。

 『ハウル』は奈良旅行に出発する日が公開日でして、「みんなが観てるのに俺だけは観られない焦燥感」を感じていたほど多分期待していました。
 ただ、今回抱いていたのは「宮崎だから」という漠然とした期待であって、「ソフィーとハウル超ラブラブ!」とか、内容に関しての期待ではなかったというのが良かったところです。

 で、印象としては、高校の頃無理矢理読まされた夏目漱石のような感じでした。淡々と日常を描いているというんでしょうか。同行人に「目的がない」と言われて手を打ちましたが、まさにその通りで、観ている者が発止と掴まれるような一本の綱がないのです。

 ソフィーだって「元に戻りたい」と強く願ってるわけではなく(そういう風には描かれず)、だから結末も特に盛り上がらない。
 ただ、それは時により姿を変えるソフィーを描くには必要だったのかな、という気もしています。
 「戻りたい戻りたい」とばかり考えていたら、ソフィーの姿はどうなったんだろう。本当におばあちゃんになりきっていたからおばあちゃんだったのだし、ハウルに恋をしていたから少女だったんだろう。
 そうすると「心のもち様」というかなりわかりやすいテーマが見えてきて、その点はしっくりきました。

 あと、木村拓哉の声はかなり満足でしたが、逆に心配もしていなかった倍賞さんの声にかなり違和感を感じてしまいました。この違和感は最後まで消えませんでした。

 総体としては、「歳を召された方が一番満足する作品」ではないか、という結論です。『千尋』が子供が満足する作品であるように。『ニモ』が親父が満足する作品であるように。
 『紅の豚』的雰囲気を期待したのは間違いだったなあ。

#大泉洋、いいところ持っていきますなあ。声もかなり良かったですよ。

Comments
コメントを書き込む




投稿者情報を記憶しますか?