『大日本人』は観て『しんぼる』は観ず。
こんな軽い気持ちで本作を観に行った。
まぁ『大日本人』ライクな感じなんだろう、と。
観終わって、「めっちゃ度肝を抜かれたなぁ」という気持ちが心から離れなかった。
え、この侍こそ大日本人ちゃうの?(笑)っていう。
正直、30日のお笑い修行は基本的に面白くない(一部応援したくなるけど)。
だけど、その30日あってのあの研ぎ澄まされた一太刀があり、そしてその後の坊主の手紙が映えに映えるんとちがうんかーーー!!!
DVD(BD?)買おうと思います。かなり布教したい一作。
ジブリらしくない(ゴローらしい?)「普通の作品」だった。
ヒロインの家事働きで魅せる演出は見事だが、メインのストーリーにカタルシスがない。
ヒロインと少年との秘密が明かされ停止するストーリー。
そこからクライマックスへのもって行き方がこの作品の肝でもあるはずだが、意外にもヒロインの母親からあっさり曝露される真相。
ここでの二人の描き方も納得がいかないし、ラストシーンでの船長から言われる「こんなに大きくなったか」的な言葉が、戦争を想起させ、テーマをぼやかせている気がする。
真相が曝露され、やったー!で終わり、とはいかないのはわかるが、戦争的な要素を強引に入れ込みすぎなのではないだろうか。
CMなどを見ていて、期待度MAX。
中盤まではややダレたけれども、そこから加速度急速アップ。
後半はバンが橋から飛び出して、川に着水するまでをなが〜い時間をかけて描いているが、この演出がよいよいよい……。
主人公たちは夢の四層まで潜るけれども、現実が第一層に影響して、第一層が第二層に影響して、という描写をしつこく短いスパンで映していく。
なんか細かいつじつま合わせはもう一度観ないとわからない感じなんだけど、とにかくスピード感があって、ドライブ感がある。一秒も見逃せないぞ、これは。という感覚をひしひしと感じる。
で、最後に並べに並べたドミノを全て「はい、ドーン!!!」と倒す気持ちよさ。
妻との関係も正直よーわからんかったけど、なんかドミノ倒しうまくいったからいっか、という気にさせられる。
2時間半を何度も観るのは大変だけど、これは病みつきになりそう。
中二だったらこれ絶対マネしてる(笑)。ごっこ遊びしてるよ(笑)。
あと、渡辺謙にはかなーり期待してたんだけど、相当な期待外れだった(^^;
世界を牛耳る大起業のボスにしては威厳が足りないのに、何故かミッションについてくるというムリな展開。そしてやっぱり足引っ張っていいとこなし。
この映画、要はオーシャンズだから、みんな活躍する感じで、予想したような渡辺謙VSディカプリオという構図にはならなかったな。
なんかメディアで相当誉められてるけど、そこまではハマらなかった。
俺の中で大満足と満足を越える一線上には『MATRIX』がいるので、なかなか。