地図なんか見ていられない状態なのに、道がわけわかんなくなった。
もう勘。
ダーっと走ってワーっとやったら、着いた。鬼の雪隠。
まだ10分もある。相当やり遂げた感が俺をさいなむ!! 超楽勝! 俺天才!
よし、鬼の俎も見るぜ!
ぐわーっっ!! と丘を駆け上っていった。階段上るのももどかしく、超ショートカットで崖をよじ登る。はしゃいでいる少年のようだ。下の方で3人組のお姉様がたがポカーンと俺を見ている。いや、体裁なんざかまっちゃいられねえ!
ちがうし。
丘の上に上っても何もないし。
予想外の出来事に途方に暮れた俺は、あたふたと地べたを這いずり回り、少しして落ち着くと、諦めて丘を下りた。
あるし。
雪隠の目の前が俎だし。
さくっと写真におさめると、俺はジョニーとの最後の奔りを観衆に魅せた。
ちなみにこの緑の丘の上まで上った。