これまで、士郎正宗さんのマンガは「楽しむ」のが難しい、人を選ぶ、などの印象を色々なものによって植え付けられてきました。
だから、士郎好きの友人がいくら褒めてもピクリとも食指が動かなかったのですが、今回の引越にあたり、引越祝いに『ドミニオン』を頂きました。これを選んだヤツも凄いと思いますが、「なるほど」と妙に納得してしまった私もどうかと。
で、読んでみたら、早く先が読みたいと気がはやるくらい面白かったです。
何が面白いというと、私の場合、好きな「物語としての記号」が含まれていることが前提条件なのですが、これが見事に入っている。
それに加えて「社会」の表現力が凄まじく、「なるほどこれは凄い」とまたまた納得。
警察組織、身障者の扱い、企業戦争……。こういうところからここまで確かなリアリティが生まれるのでしょうね。
続編を待ち望む余り、『攻殻機動隊』を憎む友人の気持ちがよく分かりました。
これは『攻殻機動隊』も読んでみなければ。